─今週の土曜日に彼氏のお披露目会しようよ
そんなメールが届いてから二日が経ちました。
が、なぜでしょうか?(汗)
三上氏が私を避けているように感じるのは…?
そんなことを考えながらはむんむんと教室で考え込んでいた。
でもこのメールが来たとき亮は普通に『その日は練習がねぇからいいぜ』って言ってくれたから、
普通に美奈子に『うん、いいよ』ってメールを送ったんですけど。
亮は一体何を考えてるのさ!?もしかしてすっぽかす気?
え?もしも本当にそうだったら…
…
…
…
み、美奈子の勝ち誇ったような顔が目に浮かぶわ。
いっいやぁ!!(涙)
は一人、両手で頭を押さえ込みながら頭を上下に動かす。
「」
「…ん?」
声がしたので思わず振り返る。
そこには渋沢が立っていた。
「あれ?渋沢君」
「ちょっといいか?」
「え?うん。いいよ」
席を立ち、ゆっくりと渋沢に近寄ると、思っていたよりも背が高いことにビックリした。
最近はいつも亮が隣にいたからなぁ…。
ってか私が唯一普通に喋れる男は亮一人だったからなぁ。
いつの間にやら私、すんごく汚染されてる気がするわ…(遠い目)
「で、渋沢君、どしたの?」
廊下をスタスタ歩いていく渋沢の目の前に体を乗り出して問いかける。
「あの…だな」
「うん?」
「最近三上と親しいようだが…付き合っているのか?」
「…ぅえ!?」
あ、渋沢君固まってるよ。
今の私の顔、そんなにヤバかったのか?(そうなのか?)
「え…あ…」
なんか照れるな。なんて言ったらいいんだろう…
付き合ってるって言うべきなのかな…?
「俺は…が好きだ」
「…え?」
「だから、もしも…少しでも可能性があるなら…付き合ってほしいんだ」
「…」
は思わず目を見開いた。
いままで告白なんて経験は一度もなくって。
だから…渋沢君の言葉が信じられない。
「本気で…?」
「え?」
あ、自分何を言ってるんだよ!!!(滝汗)
だってさ、だって私、一度もこんな体験ないんだもん!
「…本気じゃなかったらこんなことは言えないと思うけどな」
渋沢君は苦笑いをした。
これは本気なのだと、そんな気がして。
無性に彼に申し訳なくなった。
「ごめん…」
「いいよ。じゃあ返事はいつでもいいから」
「うん」
私の呆けた顔を見て、彼はまた笑って私に背を向けた。
「…初めて告白なんてされちゃったよ」
それもクラスで一、二位を争うモテモテ男に。
意外に自分イケてるんじゃないの?なんて思っていた…そのとき、
「良かったじゃねーか」
「…!?」
急いで振り返る。
そこには、亮が立っていた。
「なっなっなっ…!!」
なんでここにアンタがいるのよ!って言いたいのに言葉が出てこない。
「これで俺の役目も終わりだな」
「…え?」
ポンッと私の頭に手をおいて、彼は背を向けた。
ちょっと待って…
どういう…こと?
「ちょっ亮!」
「もう亮って呼ぶなよ…」
「え?ちょっと待ってよ!意味わかんないよ!」
「意味わかんねーのはそっちだろ?初めの約束忘れたのかよ?」
「え?」
―経験したいんだろ?
―俺が恋愛の仕方を教えてやるよ
「これで晴れてお前にも本物の彼氏ができたわけだし、その必要ねぇだろ?」
口の端を持ち上げて、ニヤリと微笑む。
それは…私と手を繋いだとき。
彼の名前を初めて呼んだとき。
彼と初めてキスをしたときに見せてくれた笑顔だった。
「ちょっ…」
私の言葉などお構い無しにスタスタと歩き始める亮。
「何…それ…?」
―プチッ
あーそうですか。
三上サン?あんたがそういう気だったら私だってそういう気になるよ(壊)
いいですよーだ!渋沢君と付き合うわよ!!
―ガラッ
私は勢いよく教室のドアを開けると、真っ直ぐに渋沢君の元に駆け寄った。
その隣には亮(…おおっと間違えた!)三上がいる。
そんなことも構わない。むしろ見せ付けてやるって勢いなんですけど(ハッ)
「ねえ渋沢君、話があるんだけど」
「ん?」
「さっきの…返事」
「あ、ああ。場所を変えようか?」
「ううん。別にいいよ」
「そうか?」
「うん。あのね、いいよ。私なんかで良かったら」
「…本当に?」
「やだな。こんなことでウソをつけるわけないじゃん」
「そうか」
渋沢はホッとした笑顔をに向ける。
はそれを見た瞬間、罪悪感からか胸がものすごく痛くなった。
チラリと横目で三上を見る。
興味なさそうにウォークマンで曲を聴きながら雑誌を読んでいて。
なんか私のことなんてどうでもいいって感じじゃないですか?
そうだよねー?前から三上の噂っていいことなんてこれっぽっちも聞いたことなかったし?
そうだよね…。
はっ!みっ美奈子のこと忘れてた!!(滝汗)
「あ、あのさ渋沢君…」
「なんだ?」
「…次の土曜…空いてるかな?」
「え?」
「あのね…」