Q.初めてのキスは何歳でしたか?
A.平均13.5歳
「ありえない…」
はイチゴ大福を口にほおばりながら呟いた。
つーかさ、マジでありえねぇ…!
おい出版記者!
てめぇ地方の田舎でこの質問をやってみろや!
絶対に平均年齢が上がるぞ(マジギレ)
って前までの私は思ってたけどさ。
現に『三上亮』という、まぁ上玉の彼氏がいる私。
今さら『キスしたことありません〜』なんてさすがに言えなくなってきたよなぁ。
そんなことを考えながらもう一口…っとイチゴ大福を食べようとした瞬間、
「お前何読んでんの?」
「うぎゃっ!!」
後ろを振り返るとそこには亮の姿があった。
「なっなっなっなんでこんなところに…!」
だってここは公園のベンチだよ!?
つーか、こんなとこで一人雑誌を読んでる自分もアホみたいだけど(サブッ)
「俺はパソコン見に行ってたんだよ」
「あー好きらしいもんねぇネット」
「あれ?言ったっけ」
「うんにゃ。クラスの女子が騒いでた」
「なんだよお前、こうなる前から俺のことチェック済みだったわけ?(にやり)」
「そんなわけあるかタレ目」
「お前…だんだん本性を現してきたな…」
「そうね。誰かさんのお陰で男なれも大分しましたし?」
「なら良かったぜ」
─ストンッ
…ん?
なっなんで横に座るのさι
「ああ?どうしたんだよ?急に黙りやがって」
「いや、ねぇ…やあ、いい天気かもしれないなぁ…って思って」
「…変な奴」
ククッと亮は笑うと、ソッとの肩に手を回した。
「あっ亮!?」
「名前ちゃんと覚えたみてぇだな」
「そっそりゃあね…って違くて!!手ぇ!この手は一体…」
「さぁな。其処の下に書いてある文章を読んでみろよ」
「は?」
Q.皆の憧れるキスシーンは?
A.公園のベンチ…26%
うっわ…
微妙に票が入ってるし!
それも26%って何よこれ(苦笑)
良い数値なのか普通なのかわかんねぇよ!
ってちょっと待て…今大切なことはそんなことじゃなくて…
「亮…もしかして?」
「…(ニヤリ)」
「…キ……キ…キ……ス?」
「よく分かってんじゃねーか」
ムッ!その見透かした態度なんかムカつくわ…!
「バッ違うわよ!私が言ったのは魚のキスのこと!残念ね!オホホホホ!!(バカ)」
一生懸命ウソを振り舞おうかと思ったけれど。
そんなこと奴の手にかかれば意味なんてなくって。
彼は目を直視したまま顔を近づけてきた。
本当にキスするんだ。
冷静にそう思う自分がいて、少し驚いた。
でもその反面、どうしていいのか分からなくて…
えっと…えっと、
確かドラマや漫画では女の方が目を瞑ってて…
ってかいつ閉じればいいんだよ!
あぁ…思ってる間にも亮の顔が近づいてるぅ!!(汗)
でも、こんなに間近で見たの初めてかもしれない。
黒く艶のある髪の毛に目鼻立ちの整った顔。
胸がドキドキする。
「…ん…」
柔らかく気持ちのいい温度が唇に落ちる。
信じられないんだけど。
私はいつの間にか目を瞑っていた。
キスって…理屈なんかじゃなくって自然に出来るもんなんだ…
そう実感してると、唇から熱が離れた。
私はゆっくりと目を開いて彼の顔をジッと見つめる。
すると亮もまた私の顔を直視していた。
「キスってこんなんなんだ…」
ボケッと声を漏らす。
我ながらマヌケな声だったと思う。
でも何故か幸せな感じがして、は自然に微笑んだ。
の笑みに合わせ三上の口の端も上がる。
「これは第一段階に決まってるだろーが」
「………は?」
「キスっつーのはな」
「はい?ん!?」
一瞬唇を落として瞬時に離して強引に口付ける。
次はさっきみたいにゆっくりじゃなくて、舌を絡ませるキス。
って何?何?何?何???
もっもしかしてこれが…ディ…ディープキスってやつですか???
どっどうすればいいの私!?
何を…何をすればいいの!?
わかんないよぉ!誰か助けてぇ!
ってか息が出来ないんだよ(涙)
「…んっはぁ…」
微妙に漏れる吐息がやけに色っぽくて。
自分の声じゃないみたいだった。
苦しい。
呼吸が出来ない。
それでも彼はキスをやめてくれない。
は一生懸命に彼にキスを返すのだけれど。
やっぱりそれは下手くそで、上手くはできなくて…
けど、それでも…自分に答えようとするの態度に三上は純粋に嬉しかった。
三上亮という人物に深く酔いしれている最中。
彼の唇が私の唇から離れた。
今まで何か温いものに触れていた唇が少し寂しそうに見える。
少しだけ後ろ髪引かれながらは目をゆっくりと開いた。
そこにはいつもとは違う顔で優しく微笑む三上の姿。
「…キス…したね」
「ああしたな」
「私…初めてだったんだけど」
「知ってるからやったんだよ」
「………」
なんか幸せだ。
胸に暖かいものが広がっていく感じ。
こう…なんて表現すれば良いんだろう…
うーん…
「何難しそうな顔してんだよ」
「え!?」
「…?」
眉をひそめながら顔を覗き込む。
「…ううん。何でもない」
自然と笑みが零れる。
なんか胸がドキドキするな。
何かに発散させたい感じ…!
あっそうだ!
美奈子に送りつけてやればいいんだ(ニヤリ)
「お前…今、美奈子にメールを送りつけてやろうって思ったろ?」
「え!?なっなんでそのこと…ってか何で美奈子のこと…ちょっと亮…アンタ一体何者よ!?」
「…(こいつ…手紙を落としたこと忘れてねぇか…?)」
「なっ何よ…その見下したような顔は…!」
「別に…(遠い目)」
少し甘ったるい空気が流れていた…その時、
ピロピロ♪
メールの着信音が響いた。
「…誰だろ?」
は首を傾げながら携帯を操作していく。
受信ボックスを開いてみると、そこには…
「…あ!美奈子からだι」
「マジ?(笑)なんて書いてあるんだよ?」
「…えっとね…」
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受信メール|10/09 14:30
美奈子
【件名】なし
【本文】
そろそろ彼氏のお披露目会
しようよ〜!!
今週の土曜なんてどう??
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「…え(汗)」