彼氏いない歴十五年だった私に彼氏が出来ました。






「じゃあ今日から俺とお前は"恋人"ってわけだな」
「…こっ(真っ赤になる)」
「順に追って付き合ってみようぜ。ちゃん?」
「えっえ??え(やっぱり真っ赤になる)」
「まぁキスよりも先にセックスがしたいんだったら…」
い゛や゛――――!!








なぜか恋人となった奴『三上亮』という人物は、顔はかなりいいがかなりのエロ野郎です。
三年で初めて同じクラスになった三上氏。
話したのは昨日が初めてであります。







なんでこんなことになったのやら…
ったくよぉ…そもそもの原因は…









ピロピロ〜♪



メールの受信音。
なんか嫌な予感がするんですけど…(汗)




------------------------
受信メール|10/02 23:35
美奈子
【件名】へ♪
【本文】

今日ねぇ彼氏が家に寄って
行けって煩くってぇ(///▽//)

そういえばは彼氏とどんな
話するの?名前ぐらいは教えて
くれてもいいでしょ?
教えてよ〜♪え?私の彼氏の
名前が知りたいって?
アツシって言うのよ(゚∇^*)


------------------------




ふふふ…やっぱり美奈子だよ。
で?なんだっけ?はい?アツシ?
ふ〜ん…ってどうでもいいんだよっ!
畜生!そもそもの元凶はコイツだよ!!(怒)
彼氏の名前?あぁ、教えてやるよ!!




------------------------
送信メール|10/02 23:37
美奈子
【件名】re>へ♪
【本文】

私の彼氏の名前は三上って
言うんだよ。あ〜見せてあげ
たぁ〜ぃ!めちゃくちゃカッコ
イイんだよ!


------------------------




フンッ
このメールでどう返事を返してくる気だい?美奈子よ?




ピロピロ〜♪




にやり…きたきたぁ!!
は顔をニヤニヤさせながら携帯の受信ボックスを開いていく。




------------------------
受信メール|10/02 23:39
美奈子
【件名】re>re>へ♪
【本文】

え〜〜〜!!
って彼氏のこと名字で呼
んでんの!?
信じらんなぁ〜い!!


------------------------




……殺すぞ?(さん怖いです…汗)






確かに…恋人同士で『三上』はおかしいな。
うん。おかしいぞ。
けど…どうやって『亮』と呼べばいいのだろうか…(汗)






―ねぇ三上!亮って呼んでもいい?
いやっ白々しいって!





―名前で呼びたいんだけど…
うわっこんなにブリブリしてるのは私じゃねぇ!





しまった、どうしよう…




























「…み〜か〜みん…!」
「…ああん?」
早朝、相手の迷惑も考えずには松葉寮で入り口でスタンバイをしていた。
見事にの思惑通り門を通りかかったところを捕まえられた三上。
「お、おはよう!」
「…あ?(怒)」
うわぁ。
低血圧です。
低血圧ってやつですよコイツ!機嫌がわりぃ!!
いや〜ん。こういう奴が一番立ち悪いんだよ!!
「朝、早いねぇ」
「今から朝練だからな…ってこんな時間にここにいるお前の方が早えぇと思うぞ…」
呆れた顔をしている彼の姿を見て、は少し引き気味になる。
やっぱりこの作戦は失敗か?学校じゃ言いにくいと思ってこの作戦をとったのに失敗なのか??





「あれ?三上何をやってるんだ?」
三上の後ろから声をかけたのは武蔵森サッカー部のキャプテンでもあり同じクラスの渋沢の姿。
うっわ…気まずぅ!!
「それに…さんじゃないか。珍しい組み合わせだな」
ハハッと声を出して笑う渋沢。
いや、笑い事じゃないんですって(汗)





…やだなぁ。
ますます三上の機嫌が悪くなってる感じするし。
チッなんなんだよ。今日は厄日なのか?





「ったく、お前結局何がしてぇーんだよ?」
渋沢がいなくなった後に、三上は痺れを切らしたように言葉を漏らした。
「えっと…それは…」





……ん?




「ちょっと待ってよ三上!アンタなんでって…」
「ああ?」
眉間にシワを寄せながら睨みつける三上の姿に一瞬引きながらも負けずに声を絞り出す。
「だって…何時の間に私のこと…」
「バカかお前、恋人って言ったら呼び捨てに決まってるだろーが。お前も俺のこと下の名前で呼べば?なんで三上なんだよ」
「…へ?…呼んでも…いいの?」
「は??」
「…」
「お前さ…もしかしてそれを言うために俺を待ってたわけじゃねーよなぁ?」
ウグッ!図星っす。図星っすよ兄貴!!
「///////」
顔が赤くなっていく。
それが図星だったということは、私の熱を通して彼に伝わってしまった。
「…おい」
「…はい?」
「お前って本当にバカだな」
「…わっ悪かったわね!私はバカだよ。本当にバカだよ。ああアホですよ!」
真っ赤な顔で反論する私。
きっと呆れてる。三上…きっと呆れてるよ。





「本っ当に恋愛慣れしてねぇよなぁ?って」
ニヤニヤしながら三上は自分の巻いていたマフラーをの首にかけた。
「…?」
「やるよ。お前みたいなバカでも風邪引くかもしれねぇからよ」
「え??くれるの??」
初めて男の人から物をもらった
それだけで心の中はオアシスってもんで…
「嬉しい。大切にするっ!」
いつもは意地っ張りで口が悪いも今だけは素直に言葉を発することが出来た。
胸がドキドキする。三上が側に居ると…なぜか心臓がいつもより速くなる。
本当に…好きになってるのかな?
チラッとは三上の顔を覗き込んでみせた。
「じゃあ…、挑戦します。三上の下の名前…呼んでみるよ!」
「おう、どんとこい」
この時点でもうバカップルと言っても良いような…(汗)
「りっ亮!(よし!言えたっ!)」
「………」
顔が引きつる三上。
ん〜?あれ?私…何か間違いましたか?
なんで三上は怒ってるのかしら(滝汗)





「あ〜〜もう知らねー、じゃーな…」
「えぁ?はい??三上??」
私を置いてサッサと歩き始める三上。
「ちょっと待ってよ!!」












ちなみに、三上の下の名前が「りょう」ではなく「あきら」ということを知るのはあと数分後の話。



つーかよ、分かんないでしょ?
普通『亮』、この字は『りょう』でしょう???