翌日――








「え?あの旅の方たちはもういかれたのですか?」
「はぁ。もう用はないから…ということで」
「そう…」
イリアはため息をついた。
あれから城に帰ると、生贄に出した子供たちが皆無事だったってことで凄い騒ぎになっていて…
おちおち考え事をする暇も無かった。
だけど…何も言わずにお別れすることになるなんて…









「酷いわ…」
ポソッと呟く。
「酷いって何が?イリア」
「あっシマ…」
「ん?」
「…あのね、貴方に似てる子に出会ったのよ」
「え?私に似てる子?ってことは美人でグラマーなのかしら?」
「アハハハ…ってそうじゃなくて、凄く優しい雰囲気を持った子」
「へぇ」
「言葉だけじゃなくてね雰囲気が柔らかいの。…シマと…何処も似てないんだけど…何処か似てたなぁ」
「何よ、それ(笑)でも、イリアがそんなに誉めるなんて珍しいわね。その子よっぽど良い子だったのね」
「うん。機会があればもう一度会いたいわ」









、私貴方と会えて本当に良かった。
ありがとう…本当に。



















ハックション!






「色気が無いクシャミ」
「女らしくねーなぁ」
「酷い…(涙)」
鼻をすすりながら呟く。






一日歩いても、まだ砂漠の中を彷徨っている私たち。
でもようやく抜けられそうなんだよね。










「あっ見て!翼君!黒川君!」
「「ん?」」






「太陽が二つ昇ってる…!」