Q「好きな人は誰ですか?」
A「桐原監督です














恋愛革命(れんあいかくめい)











私はタレ目が好きです。
私はナイスミドルが好きです。
私は寡黙な人が好きです。
私は厳しい人が好きです。




まさにオールマイティーな人がいました。
それは…








「おい!ドリンクを早く用意しないか!」
その厳しい口調。
大好きです!
「はーいvvv
そう答えは、桐原監督、貴方です!!









「毎回思うんスけど、桐原監督が来てるときって凄いが張り切ってますよね〜」
「そうだな…」
「カーッアイツの何がいいのかわかんねぇ〜」
「でも三上先輩と監督ってタレ目ってとこが似てますよね」
「あ゛?バカ代なんか言ったか?」
「痛い!痛い!蹴りながら言わないでくださいよー!(涙)」










、頼みがあるんだが…」
「はい??なんですか?何でも聞きますよ!(愛の為に!)」
「いや、たいしたことではないんだが…な、コレを桜上水の水野のところまで届けてくれないか?」
「コレ?」
「そうだ。中は…」
むっ何か言いとどまってる?
「見ないほうがよさそうッスね!かしこまりましたぁ!」



愛のためなら何処にでも行きますよv
それが聞き覚えのあるようなないような桜上水のところでもね!




はドピュンッという効果音がつきそうなほど素早く武蔵森を出て行った。







「あれ?何処に行ったんですか〜?」
「桜上水だ」
「ゲーッマジィ!?俺も行きたかったのにぃ」
「藤代(怒)」
「いや、冗談ですって冗談(汗)」

























「こっここが桜上水…」
普通の学校だよね。どう見ても。
それにしても水野とやらに届け物って…
大体水野って何者とか全然聞いてこなかったし大変だよ。
「あれ?武蔵森の制服だよね?君」
「え?」
振り返るとそこには見覚えのある小さな男の子が立っていた。
「……見覚えがある気が…」
「え?」
「もしかして風祭くん…とやらでは??」
「あっ覚えててくれたんださん」
「おっ君も覚えているんだね!そういう風祭君、水野っていう人いる?この学校に」
「え?水野君?いるよ」
「くんってことは男ね」
「そうだけど…」
女だったらちょっぴり焦ったけどさ。
監督って指輪してないし、もしかして独身かな?
いやはやバツイチってパターンもあるし。
女は16歳から結婚でしょ?
あと二年かぁ〜。先は長いなぁ。









「あっ水野君!さんが用事があるって」
「え?俺に?」
ん?目の前に現われたのは…
桐原監督と同じようなタレ目の人。
「俺が水野ですけど?」
「あっ私、武蔵森のって言います」
なんか嫌な予感がしないこともない。
「何か?」
「あっはい。これ桐原監督から預かってきました」
「桐原?」
一瞬顔が変わった。
「?」
私が首を傾げても反応ナッシング。
なんですか?
なんですか?その反応は。
「どうも」
急に不機嫌になったかと思ったら、私の持ってた預かり物を乱暴に取り上げやがったよコイツ!
ちょっと失礼でないの?
ねぇ!そうでしょう?
「…あのさ〜、貴方と桐原監督はどんなつながりで?」
「つながり?」
「そう。つながり」
「なんでそんなことを貴方に言わなくちゃならないんですか?」
「…はい?」
うわっ腹立つ!
わたしゃあんまり腹が立つほうじゃないんですがね、ちょっとムカつくかなぁこの人。
正直に言うべきなのか。
言わないべきなのか。
よし。言ってやろう。
別に隠さないと恥ずかしい想いとかじゃないし!
「好きだから」
「え?」
「だから…」
「…ああ、悪いけど俺、今はサッカーしか」
「いや、あんたじゃなくって桐原監督が」
「…………え?」





うわっなんか微妙な間があったよ。
それもすごいし…この沈黙。
今まで体験したことがないんですけど…







「諦めた方がいいんじゃないの?あの人、まだ好きな人がいるみたいだし…」
「…え?だっ誰?」
「俺の母さん」
「…ウソ…監督は不倫関係にあったの…??酷い…あんな硬派な顔して…」
「そうじゃなくって…俺の父さんなんだよ。アンタが言ってる桐原監督が」
「…はい?」
ちょっと待って。
目の前にいる人が桐原監督の息子?
確かに似てるって言われたら似てる気がするけど…
でも…子供がいたなんて。(それも私と同い年くらい)
「でっでも名字が違うじゃない!」
「二年前に離婚したんだよ」
「そっそんなぁ…」
ショック。
素でショック。
好きな人には好きな人がいました…なら分かる。
好きな人には私と同い年の息子がいました。
…うわ〜ん…(涙)
神様あんまりです。






「そうですか…」
真っ白だ。
頭の中真っ白だ。
スゴク気分が微妙です。
このまま武蔵森に帰らないで夜行列車に乗り込みたいぐらい(でもお金がないからどうしようもない)







一歩、二歩、歩いた地点でもう一度振り返る。

「ねぇ本当?」

「本当だよ」
一歩、二歩、歩いた地点でもう一度振り返る。
「私がママになったら困る?」
「大迷惑」
ションボリ。





ハァッと大きなため息をつきながら私は門を出た。







「なぁ!」
後ろから水野とやらの声が聞こえる。
「…何?桐原二世」
「やめろ…その呼び方」
「…?」
「俺じゃあダメか?」
「は?」
「いや、親父はやっぱ年取ってるし想いあってる人もいるし…って俺何言ってるんだろ…/////」
顔を真っ赤にしながら話す水野少年は初々しい。
確かに君もいいと思うよ。
でも…
「ダメ。私はもっと渋くて、厳しくて、ナイスミドルが好きなの。タレ目だけじゃヤダ」
「変な趣味だな…」
「五月蝿い」
「いいよ、俺がなってやる。だから付き合おう」
「…変な人」
に比べたらまだまだだと思うけどな」
「…面白い人」
に比べたらまだまだだと思うけどな」
「……」






私はタレ目が好きです。
私はナイスミドルが好きです。
私は厳しい人が好きです。
私は寡黙な人が好きです。





でもちょっとだけ趣味が変わりました。







「お試し期間でね」
「多分やみつきになると思うぜ」
「かぁ〜これだから若い奴は」
そう言いながらも照れてる自分もいる。
こんな自分もなかなか面白い。