二度目の告白も玉砕。
漫画やドラマみたいに上手くいく事なんてないね。
うん、ないない。
ほんっとうに現実は厳しいなぁ。



恋は敗れ…。
ライバルにはチャンスを与えちゃうし…
あれから二日過ぎたけど、相変わらず相ちゃんは笠井に話し掛けてて…
私と笠井の関係?
友達のまんま。
でも二度も告白してもまだ向こうが普通に接してくれるってことは…。
よほど優しいのか…。
よほど私に無関心なのか…。
でも、いいの。
今もまだ笠井と話すことができて…。
このままでいいよね?
もう告白とかはしないよ。
決めたんだ!




でも…解決できてない問題が残ってる。
あの日を含めて三日かぁ〜。
透子と話さない日々。
そう、透子ったら全然話し掛けてこないの。
今さら私からってわけにも…。
でもね、ちょっと頭冷えてきたよ。
透子…どんな気持ちだったろう?
私と相ちゃんの両方から打ち明けられて…。
きっとね。
ううん。
絶対に透子の性格だから、すっごく悩んだんだと思う。
自分のことばっかりだね私。
透子のこと…誰よりも知ってるくせに。
透子が人のことを言いふらすような子じゃないって知ってるのに…。
信じなかった。
疑ってしまった…。
でも今なら言えるよ。
きっと透子は私の笠井に対する気持ちを相ちゃんに言ってなかったはず。
今なら自信を持って言えるのに…。
ごめんね透子。
傷ついたよね?
ホント自分に反省。




"誤解してた"って言おう。
でも…ちゃんと言えるかな?
避けられないかな…




ううん。
考えるより会って話さなくちゃ!
このまま友情崩壊だなんて嫌だもん!
よーし!今日一日は勝負だぁ!




















─キーンコーンカーンコーン






六限のチャイムが無情に鳴り響く。
もう下校の時間…
あー今日も透子と話せなかった〜!
こういうパターンって初めて…。
喧嘩してもいつもはすぐに仲直りしてたから。
だからどう対処していいのやら…。
今日も一人で下校かぁ。



ため息を漏らしながらゆっくりと下駄箱の靴を取り出す。




「あれ?最近って樋口と一緒じゃないね?」
─ギクッ
振り返るとそこには笠井が立っていた。
不思議そうな顔してこっち見てる。
気付いてたんだ…。
「うっうん…」
「…どーかした?」
「…笠井だったら…友達とケンカして仲直りしたいときどうする?」
私は正直な思いをぶつけた。
「ケンカ?(笑)」
「笑い事じゃないよ〜(涙)」
「あっごめん(汗)」
「ふぅ…」
「でも…別に向こうに嫌われてるわけじゃないんだろ?」
「え?…わかんない…」
「大丈夫だよ。のこと嫌いになる奴はそうはいないって。樋口もおまえのこと好きなはずだよ」
「え!?」
うわっ!ドキっとした!
笠井から"好き"って言葉を聞いた時、心臓が飛び出るかと思った
〜!
ドキドキドキ・・・
こらこらおさまれ!!
笠井の私に対する気持ちじゃないんだから…。





「あっありがとう」
「うん(にこ)」
「…うん。今日電話してみる。」
そーだよ!
連絡手段なんてたくさんあるじゃない!!
「じゃあ!」
私はできるだけの笑顔で笠井を見た。






うん。ホントに勇気出た!!
走って私は家に向かった。











─プルルルル プルルルル




あれ?透子出ないなぁ(マナーにしてんのかなぁ…)



「…もしもし」
「透子…?」
「うん…」
「あのね、話したいことがあるんだけど」
「……」
「…透子?」
「ごめんね!!」
「…えっ?」
「相ちゃんのこと…黙ってて…」
「え?」
「相ちゃんに言われた時ね、に言おうか言わまいか迷ったの。」
「うっうん…」
「でも、そんなのいけないと思って…。私…コウモリみたいになりたくなかったんだもん…」
「え?」
「相ちゃんにと笠井の関係とか何回も聞かれたけど言わなかったよ… だっては親友なんだもん。」
どんどん涙声になっていく透子の声に私まで泣きそうになってきた。
「ごめん透子…。私ね、ちょっと疑っちゃってたの…。相ちゃんに私が笠井が好きって教えたのかな?って。」
「えぇ!?言ってないよ!言うわけないじゃない!!」
「うん…そうだよね…」



透子は言わないって知ってたのに信じなかった自分に反省。
透子は私が相ちゃんのこと黙ってたことに腹が立ったと思ってたんだね。
なんだ…ただの勘違い…
でも電話して良かった〜!
笠井の後押しのお陰だよ!



…これからも友達でいてくれる?」
「当たり前じゃん!」
「うっうん。ひっくひっく」





受話器越しに聞こえる透子の涙声が妙に愛しく感じた。