~FALL~ case3. 功刀一













「誕生日おめでとー!
「ありがと〜!みんな」
私、は今日誕生日を迎えた。
それもみんなから貰う誕生日の品の数々…





誕生日って素晴らしいね!(ひゃっほーい!)









、今日誕生日やったと?」
「ん?あ、昭栄だ!そうよ。今日誕生日だったんだよねー!昭栄も何かちょうだいよ!ねぇ!」
「むっダメたい!今月は金欠やけん…」
「は?金欠?いつものことでしょ」
「ひっ酷かぁ…そういえばカズさんはの誕生日が今日やって知っとると?」
「いや、知らないと思うよ。でもまぁあのカズさんが何かくれるように思えないし。
私の予測だと、あの人から誕生日プレゼントをもらえるのはヨッさんだけだ…(はぁ…)」
「俺、貰ったとよ」
「……ん?」
「やけん、俺ば貰ったと!」
「……は?ウソ言ってんじゃないよ昭栄!いくら私がカズさんのこと大好きだからってそんなウソ…」
「ウソやなかって!本当やって!ウソと思うならカズさんに聞いてみるとよか!」
「ほぅ……(ボキボキ)」
「なっなんで腕を鳴らし始めると!??(汗)」





というわけで…あぁやってきたさ!カズさんの通ってる学校にね!





違う制服だからって皆チラチラ見すぎっ!
…ってか、ん?あ、あれは!





「カズすわぁーんvvv(サン○風に)」





は周りの目を気にせずにカズのもとへ走り出した。





「う…わっ!!!何やっとんじゃ!?こげなとこで!」
ブレザーのカズさん…(か、か、か、かっこいい!!)
「えっ?えっと…」
な、何て言えばいいんだろ??(汗)
「あ、今日、私の誕生日なんです!」
「ほー。そうなんか」
「祝ってください!」
「…は?(汗)」
「いや、祝ってくださいっていうか…」
でも何か下さい!っていうのも言いにくいしなぁ…



そんな興奮したとは対照的に、カズは周りの痛い視線と、コソコソと囁かれてる女子の視線に耐え切れなくなっていた。



!」
「は、はい!なんでしょう?」
「こ、ここはちょっとアレやけん…(滝汗)ちょっと移動ばせんか?」
「え?(キラキラ)」
「どげんしたと?」



「喜んで!!」



そんな勘違いしたとカズは二人並んで歩きはじめたのだった。



「おい
「はっはい!?(ドキドキ)」
「お前な、ほんまに何をしに此処まで来たんじゃ?」
「え…えっと、誕生日だったんで」
「いや、お前な…もしかしてそれだけでここまで来たんじゃないっちゃね?」
「そうですけど?」
「…」
一瞬、カズさんの何ともいえない冷たい視線を感じた。
…気のせいだ。うん。気のせい!
「だっだって」
「だって…何たい?」
「だってカズさんアレでしょ?アレ」
、お前な、アレって言って通じると思うと?」
「多分カズさんなら!(にへら)」
「…(プツッ)」
「…プツ?」
「いい加減にせんかー!!」
「ひゃああぁああ!!(滝汗)だ…だ…だってカズさんの馬鹿ぁ!」
「なんで俺がバカなんじゃー!!」
「だってカズさん昭栄に誕生日プレゼントあげたっていうのに私にはくれてないじゃないですかぁ!!」





……
…………





「は?」
「だからプレゼント…」
「いや、そこが問題じゃなくて…えっと…俺が昭栄に?」
「はい。昭栄がさっき…」
「俺はプレゼントなんかあげとらんぞ」
「うぇ?」
「…あ!」
「…あ?って何か思い出したんですか?やっぱりあげてるんですよね?認めてくださいよ!私は怒りませんよ!だから、さぁ!!」
肩をガシッと掴んで必死に叫ぶの腕を必死に剥がそうとしながらカズは叫んだ。
「ただラーメンを奢っただけじゃ!物なんかあげてなか!」
「物はあげてなくてもやっぱりラーメンをあげたんじゃないですか!!」
「けどそげなものプレゼントに入るか!」
「ひっ酷い!ラーメンだってお金に換金すれば約500円!500円なんですよ!!」
「あぁ〜せからしか!ええ加減お前俺の肩を離さんかい!」
「じゃあ私にも500円並みの物を下さい!」
「…あ?」
「お願いします(必死)」
「…わ、分かった(汗)」



そんなの迫力に押されたカズは少しボロボロになりながら買い物にいくことになった。



「はぁ〜カズさんと放課後デートできるなんて幸せだぁ」
「それは良かったの(げっそり)」
カズは心の中で思った。
なんで昭栄といいといい俺ん周りにはまともな奴が少ないんじゃ…と。








「あ!見て見てカズさん!ティファニーですよティファニー!!!」
「ブッ!!!そんなもん買えるわけないやろうが!!」
「ケチ…」
「お前…さっきと言ってることが違いすぎやぞ…(怒)」
「チェッ分かってますよ。500円ですよね。500円
「そんなに強調せんでよか(汗)」
「そんな、照れなくていいんで・す・よ
「照れとるわけじゃなかよ(遠い目)」
「えへへ〜」
「そういえば
「なんですか??」
「お前、プレゼントって一言で言ってもどういう物が欲しいと?」
「え?」
「ある程度決めとるんやろ?」
「…あ、はっはい!」



…決めてないけど(ぼそっ)



「…」
「何が欲しいんじゃ?」
「…えっと……(汗)」
「まさか…何も考えてなかったわけじゃなかね?(にっこり)」
「だっだってまさかカズさんが私に何か買ってくれるとは思わなかったから…」
が欲しいって言ったんやろーが」
「そうですけど…あ、わ、私」
「何じゃ?」
「指輪が欲しいです!」
「指輪?」





「…」





沈黙が始まる。



私…何か変なこと言ったかな?
って言うか、好きな人から指輪を貰う!
これは女の子の永遠の憧れよね??(少なくとも作者は)





「お前なー…」
「な、なんですか?」
「そういうんは恋人とかに頼むんが普通っちゃろ?」
「…え?」



えーと……目の前真っ暗…みたいな?



「カズさんは…私に指輪はあげたくないですか?」
「あ?なんでそうなるんじゃ(汗)」
「私は…私はカズさんがす、す、好きなんですよ!
「ああ!?」
「だからカズさんからは何もらっても嬉しいけど、やっぱり…やっぱり何でもいいんだったら指輪が欲しいんです!!」
…」
「いや、あの、そんな困った顔しないで下さいよ!!」
「いや、聞…」
「いやぁ!!やっぱり言うんじゃなかったぁあぁあ!!フラれるわ!今から私フラれるんだわ!!(乱心)」
!」
「はっはいぃ!」
「少しは俺の話を聞けや!」
「…はい」
しゅんっと大人しくなったを見て、カズは『大人しくしとったら可愛いのに』と内心思った。
「あのな、もう一度聞きたいことがあるんやけど」
「はい?」
…お前、俺が好きなんか?」
「…!!!/////」
?」
「いや、あの、なっなんでそのことを…」
「いや、さっきあれだけ大きな声で言っといてそれはないっちゃろ(汗)」
「…」
「ちょお其処に座っとけや」
そう言ってカズが指差したのは、待ち合わせ場所とかに使われてそうな、ベンチがあった。
「…え?」
「大丈夫、帰ったりはせん」
「…ほ、本当ですか?」
「…せからしかよ(にっこり)」
「ひっひぃ!」
「そんなに信用ないんだったらな…」





―ポスッ





「…カズさん」
彼は私の頭に、自分が今までかぶっていた帽子をかぶせた。
「すぐに戻ってくるけん。ちょい待っとけや」
「はっはぁ…」



そう言い残して背中を向けて走り去るカズさん。



帽子をかぶって無くてもカッコ良すぎ!(鼻血物だよアンタ!)








「しかしまいったなぁ…」
小さな声で反省。



告白するつもりなんてサラサラなかったのに。
ただカズさんから誕生日を祝ってもらいたかったのにな。
感情が先走りしちゃってカズさんにも迷惑かけちゃったよね。



「今からフラれるのかなぁ…」



あぁあ……!!
やばい、泣きそう。
いや、泣かせて下さい!!





「…か、帰りたい」





けど頭の帽子があるしな…(ハァ)



















「…
「…は!!」
ふと顔をあげれば、そこにはカズさんが息を切らせながらたっていた。
「…手、貸せや」
「え?」
言われるままに、カズさんに右手を出す。



「大体なー、俺は今金欠なんじゃ!」
ブツブツいいながら彼がポケットから取り出したのは、茶色い小さな紙の袋。
カズが袋を開けると、そこから出てきたのは…



「かっかっかっカズさん!」
「何じゃ?」
「みっ見間違いじゃなかったら…こ、これは…指輪では…」
「みたら分かるやろ」
少し機嫌が悪そうに、器用に私の薬指に指輪を通していく。
「そこの露店で買ったやつやけん。安物やぞ。ティファニーなんかじゃないけんな!」
彼はそう言うと、に被せていた帽子をゆっくりと持ち上げ、自分の頭に押し込んだ。
「カ…カズさん」
指輪は到ってシンプルで、細い銀色の指輪だった。





「いつかもっといいもん買ってやるけん。それまで我慢しろや」
「えっと…あの、カズさん!」
「ん?」
「私のこと好きなんですか!?」
「(ズコッ)」
一瞬、カズはこけそうになったが、流石のボディバランスで持ち直した。
「アッ…アホか!」
「ひっひい!また怒鳴られたぁ!!」
「俺が何とも思ってない女に此処までするわけないやろうが!!」
「…!」





えーと…
今の言葉、
自惚れてもいいですか?





「カズさぁん!」
「ん?」
「世界で一番、一番好きです!!」
「おま…っ!こげなとこで大声で言うな!!///」
「今度カラオケでカズさんのために『一休さん』歌いますね!」
「やめろ(怒)」
「もうそんなに照れちゃってぇ!」
「前言撤回じゃー!!」
「…はへ?(蒼白)」





「俺は先に帰るたい!」
「え?あ?ちょっと…いや、待って…待ってくださいカズさーん!!(涙)ってか撤回しないでぇ!!!」










彼は私を置いてさっさと歩いていってしまうんだけど。
三分後に、其処の曲がり角でイライラしながらも待っててくれてる彼を見て…



私はもっとカズさんを好きになるのでした